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flourishing -ペンの技 [書体について]

ピクチャ 3.png正確には「書体」ではないのですが、カリグラフィーに密接なジャンルとしてflourishingというものがあります。カッパープレート体に使われるような柔軟なペン先を生かして、線に勢いのある強弱をつけ、鳥や羽模様を流麗に描いていきます。とにかく美しい線が命なので、熟練が必要です。最初は腕ごと動かしてひたすら弧を描く練習からはじまります。

美しい鳥の作品が、岡山会場にも一点展示されます。

ピクチャ 4.png 画像の作品はこの技法の第一人者、故 伊藤介二先生からいただいた暑中見舞いのハガキです。お手紙には「東京は酷暑の連続、そちらは如何でしょうか、なかなか入朱依頼が来ないのでどうされたかと心配しています…」と書かれていて、胸が痛みます。怠惰な生徒であったことが悔やまれます。御縁があって手ほどきを受けることになり、お手紙のやりとりだけで「どうか後をお願いします」とまで仰って将来を期待して下さった先生に、ついに一度もお目にかかれないままお別れしてしまいました。孝行したいときに恩師なしです。先生直筆の線をみていると「永遠の美」という言葉が浮かびます。



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ローマン・キャピタル [書体について]

ピクチャ 6.pngローマン・キャピタル(Roman Capital,ローマン大文字体)は、その名の通り、ローマ時代に石碑に刻まれた文字として今に伝えられています。この時代、まだ小文字は無かったし、単語と単語の間も空いていなかったんですよ。アルファベットの美の原点として、現代でもその優美さと荘厳さで書物の題字や企業のロゴなどに用いられる、必要不可欠の書体です。現代の人気フォントも、この文字への憧れと尊敬の念がにじみ出ています。
今から二千年も前の書体がずっとカッコ良く美しくあり続けるって、すごいことですよね。

ピクチャ 7.png会場には大文字体だけで書かれた作品も
数点展示されています。
文字のオーラを感じて下さい。

ちなみにこの画像の作品は平筆で書きました。アルファベット一気に書いてブルッちゃいました(笑) もひとつちなみに、この時代のアルファベットは全部で23文字でした。



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ゴシック体 [書体について]

ピクチャ 7.png12世紀頃から書物の本文用に使われた文字がこのゴシック体(gothic)と総称される書体です。グーテンベルクの活字も、この書体をもとに造られました。今でも古めかしい、歴史的な(中世的な)イメージを用いたい時にこの書体がフォントになったものを良く使います。
今は亡き叔父が、昔こういうのは自分が若い頃『髭文字』という名前で商業美術という科目で習った事がある、と言っていたのを覚えています。ある年代以上の人が意外とご存知なのかもしれません。

ピクチャ 9.png また一方で、ロック、特にヘヴィメタルやゴスロリなどの音楽やファッション経由、またRPGに使われるロゴデザインなどで若い世代にとても身近な書体でもあります。わたくしなど何度前を歩くお兄さんのTシャツの文字が気になった事か。「それ、どこで買ったの?」と聞きそうになるのをぐっとこらえてチラ見(ガン見だったかも)していました(笑)

美しい中世写本風の作品から、モダナイズされた作品まで、
このゴシック体で書かれた作品も岡山会場でご覧頂けます。
ゴシック体の実演も行われます。実演日程はこちら

中世の雰囲気がお好きな方はどうぞ会場へお越し下さい。


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カッパープレート体 [書体について]

コパープレートペン先 カリグラフィーは幅広のペン先を使うというのが原則ですが、これは例外。カッパープレート体(copperplate、コパープレート、花文字)という書体を書く専用のペンです。ペン先は尖っていて、弾力があります。変わっているのはむしろペン軸の方でしょう。書きやすいようにペン先の向きがかわるようになっています。

Image135.jpg カッパープレート体はとても人気のある華やかな書体で、商業的な印刷物でも頻繁に目にします。今回の展示作品にもこの書体で書かれたものがあります。また実演もありますので、どのように書くのか会場でぜひご覧下さい。

 この書体の実演は毎日行われる予定です(8月2日土曜を除く)。詳しくは下のデモンストレーション(実演)のお知らせ に載せてあります。
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